VAVは「Variable Air Volume」の略で、日本語では「可変風量」と訳されます。VAV方式とは、室内の温度や空調負荷に応じて送風量を自動で調整する空調方式のことです。
家庭用ではなく、主にオフィスビルや商業施設などの大型施設で使用される空調システムに採用されています。
VAV方式は、必要な場所に必要な分だけ空気を送ることで、快適性を保ちながら省エネルギー化を図れるため、さまざまな施設で導入されています。
ここでは、VAV方式とはどのような空調方式なのか、役割や仕組み、構成、用途などをわかりやすく解説していきます。
VAV方式とは
VAV方式とは、室内の空調負荷に応じて送風量を変化させる可変風量方式のことです。
VAVは「Variable Air Volume」の略で、「ブイエーブイ」と読みます。現場では「バブ」と呼ばれることもあります。
VAV方式では、空調ダクト内に設置されたVAV装置が、室内の温度や要求風量に応じてダンパーの開度を調整します。これにより、室内へ送り込む空気の量を増やしたり減らしたりしながら、冷暖房能力をコントロールします。
室内温度を設定温度に近づけるため、負荷が大きいときは風量を多くし、設定温度に近づいたら風量を少なくします。
このように、必要な風量だけを送ることで空調の無駄を抑えられるため、VAV方式は省エネルギー性に優れた空調方式として、多くの大型施設で導入されています。
VAV空調システムは「Variable Air Volume」の略で、「可変風量方式」とも言われる空調システム…
VAV方式の役割
VAV方式の主な役割は、室内の温度や空調負荷に応じて風量を自動で調整し、快適な室内環境を保つことです。
VAV装置は、空調ダクトを流れる空気の速さをセンサーで計測し、要求風量と比較しながらダンパーの羽根を開閉させて風量を制御します。
これにより、室温や室圧を適切にコントロールしやすくなります。
メリットとして、室温の変化に合わせて人がその都度温度設定を変更しなくても、空調システム側で風量を調整できる点が挙げられます。
また、送風量に応じて送風機の回転数を制御することで、搬送動力の削減にもつながります。必要以上に空気を送らないため、光熱費の削減や省エネルギー化が期待できます。
さらに、必要風量に合わせた設計がしやすくなるため、空調ダクトのサイズを抑えられる場合もあります。
現代の空調システムにおいて、VAV方式は節電、省エネルギー、ランニングコスト削減に役立つ重要な空調方式の一つです。

VAV方式の仕組み
VAV方式では、ルームサーモなどから送られる要求風量信号に応じて、VAV装置が風量を調整します。
VAV装置は、ダクト内を通過する風速をセンサーで計測し、要求風量と比較しながらダンパーの開度を制御します。これにより、室内の状態に合わせた細かな風量調整が可能になります。
施設やビルなどでは、VAV装置を含むVAV空調システムとして導入されるのが一般的です。
例えば、室内の温度差が大きい場合には風量を多くし、設定温度に近づくと少しずつ風量を少なくしていきます。
これにより、一定風量で空調するのではなく、部屋やゾーンごとの個別制御が可能になります。
夏場に室内の空調を27度に設定している場合、室温が28度以上になると、サーモスタットが温度上昇を検知し、風量を増やす信号を送ります。
反対に、室温が26度より低くなった場合は、送り込む風量を小さくし、室温を保つように制御します。
その際、空調負荷に応じて必要最小限の風量まで絞ることで、余計なエネルギーを使わずに空調できます。
また、部屋やゾーンごとに個別制御ができるため、温度条件の異なる複数の部屋を一台の空調機で管理しやすくなります。
一般的なダンパーが風量を絞るための部品であるのに対し、VAV装置は風速センサーやコントローラーを備え、室内の負荷に応じて風量を自動で調整できる点が特徴です。
搬送エネルギーを削減することで、排出される温室効果ガスであるCO2の排出量を抑えることにもつながります。
VAV空調システムの構成
VAV空調システムは、VAV装置だけでなく、空調機、給気ファン、換気ファン、ファン用インバータ、コントローラー、センサーなどによって構成されています。
まず、風量可変装置であるVAV装置をダクト内に設置し、空調負荷に応じて風量を調整します。
VAV装置は、風速センサーで通過風量を計測し、実際の温度や設定温度、要求風量などをもとに、必要な風量になるように制御します。
VAV装置の構造
VAV装置には、風速センサー、風量調節用ダンパー、ダンパー駆動用モーター、コントローラーなどが備わっています。
この中でも特に重要なのが、風速センサーです。風速センサーが正確に風量を検知できることで、必要な風量に合わせた細かな制御が可能になります。
VAV空調システムが省エネルギー化に役立つ理由は、VAV装置によって部屋へ送り込む風量を的確に調整できるためです。
必要以上に風量を送らないようにすることで、空調機ファンの回転数をインバータで下げることができます。
空調機の給気ファンをインバータ制御し、必要な風量だけを送ることで、給気ファンの搬送動力を削減し、省エネルギー化を実現します。
VAV方式の用途
VAV方式は、主に業務用空調システムで採用されています。
家庭用の空調システムで使用されることは少なく、オフィスビルやショッピングモールなどの商業施設、旅館やホテルなどの宿泊施設、展示場、映画館、大型の屋内プール、体育館、工場、倉庫など、さまざまな場所で導入されています。
VAV方式は、複数の人が利用する空間や、部屋ごとに室温調整が必要な施設に適しています。
快適性が求められる一方で、大型施設では空調に使われるエネルギー量も大きくなるため、消費エネルギーの削減が重要になります。
その点、VAV方式は部屋やゾーンごとの個別制御が可能で、必要な分だけ空気を送ることができるため、ランニングコストの削減にもつながります。
そのため、オフィスビルや大型施設に適した業務用空調方式として活用されています。
まとめ
今回は、VAV方式の役割や仕組み、VAV空調システムの構成、用途などを解説しました。
VAVは「Variable Air Volume」の略で、可変風量を意味します。VAV方式とは、室内の温度や空調負荷に応じて送風量を自動で調整する空調方式のことです。
大型施設では、快適な室内環境を保つだけでなく、空調にかかるエネルギーを抑えることも重要です。
VAV方式は、必要な場所に必要な分だけ空気を送ることで、快適性と省エネルギー性の両立を目指せる空調方式です。
VAV方式を効果的に活用するためには、VAV装置の役割や、空調機・ファン・インバータなどを含めたVAV空調システム全体の構成を理解しておくことが大切です。
VAV方式に関するよくある質問
VAV方式とは何ですか?
VAV方式とは、室内の温度や空調負荷に応じて送風量を自動で調整する空調方式です。VAVは「Variable Air Volume」の略で、日本語では「可変風量」と訳されます。必要な場所に必要な分だけ空気を送ることで、快適性と省エネルギー性の両立を目指せます。
VAVは何と読みますか?
VAVは一般的に「ブイエーブイ」と読みます。現場では「バブ」と呼ばれることもあります。正式にはVariable Air Volumeの略で、空調設備における可変風量方式を指します。
VAV方式の主な役割は何ですか?
VAV方式の主な役割は、室内の温度や空調負荷に合わせて風量を調整し、快適な室内環境を保つことです。必要以上に空気を送らないように制御できるため、空調の無駄を抑え、省エネルギー化にもつながります。
VAV方式はどのような仕組みで風量を調整しますか?
VAV方式では、ルームサーモやセンサーから送られる信号をもとに、VAV装置がダンパーの開度を調整します。室温が設定温度から離れている場合は風量を増やし、設定温度に近づくと風量を少なくすることで、室内の状態に合わせた空調制御を行います。
VAV装置はどのような部品で構成されていますか?
VAV装置は、主に風速センサー、風量調節用ダンパー、ダンパー駆動用モーター、コントローラーなどで構成されています。風速センサーで通過風量を計測し、必要な風量になるようにダンパーを制御します。
VAV方式はなぜ省エネにつながるのですか?
VAV方式は、室内の負荷に応じて必要な分だけ空気を送るため、送風量の無駄を抑えられます。また、給気ファンの回転数をインバータで制御することで、搬送動力を削減できるため、光熱費やランニングコストの削減につながります。
VAV方式はどのような施設で使われますか?
VAV方式は、主にオフィスビル、商業施設、ホテル、展示場、映画館、体育館、工場、倉庫などの業務用空調システムで使用されます。部屋やゾーンごとに温度条件が異なる大型施設に適しています。
VAV方式と一般的なダンパーの違いは何ですか?
一般的なダンパーは、主に風量を絞るための部品です。一方、VAV装置は風速センサーやコントローラーを備えており、室内の温度や要求風量に応じてダンパーの開度を自動で調整できます。単に風量を絞るだけでなく、空調負荷に合わせて細かく制御できる点が違いです。
