VAV空調システムは「Variable Air Volume」の略で、「可変風量方式」とも言われる空調システムの方式のひとつです。
効率がよく大型の施設での空調コントロールに欠かせないシステムになっているVAVですが、その中でもいくつかの種類があります。
今回は、VAV空調システムについて「VAV」の呼び方や種類、特徴などを紹介します。
VAV空調システムの読み方・仕組みとは
VAV「variable air volume」は「ブイエーブイ」と呼ばれることが一般的ですが、「バブ」と呼ぶ人もいます。
基本的には室内の負荷(温度差)によって送風量を多くしたり少なくしたりして室内の温度をコントロールする仕組みです。
ルームサーモ(室温設定器)などからの信号(要求風量信号)により、風量を変化させます。
このとき、通過風速をセンサーで計測し、要求風量と比較しながら制御するので、適正な風量コントロールが可能です。
ダクト静圧が変化しても常に風速センサーで計測しているため、すばやく風量を制御。
標準品には全閉機能が備えられているので、使用しない部屋の空調をカットして、省エネを実現します。
VAVを使った制御について
VAVは計装メーカーのコントローラーと組み合わせていろいろな制御を行うことができます。
1.室温制御
前項でも述べましたが、最もポピュラーな制御が室温制御です。
室温は、室内の条件や人員、機械類の稼働によっても変化していきます。
冷房時、室温が設定値よりも高ければ、VAVの開度を大きくして室内への送風量を増加させます。
逆に冷房時、室温が設定値よりも低ければ、VAVの開度を絞って室内への送風量を減少させます。
2.CO2濃度制御
VAVは室内のCO2濃度制御にも有効です。
室内でのCO2濃度が高くなれば、VAVの開度を大きくして、室内への空気量をより多くすることで室内を快適な環境に変化させます。
室内制御と、CO2濃度制御を組み合わせることも可能です。
3.ファンの風量制御
給気ファンの搬送動力は意外と大きいものです。
各VAVの要求風量を合算し、インバーターによる回転数制御を行うこともできます。
電力量は、回転数の三乗に比例します。
回転数を下げれば大きな省エネにつながります。
まとめ
VAVの大きな特徴は、他のダンパーと異なり風速計を本体に組み込んでいることにあります。
制御についても、一般的な部分を申し述べましたが、他にも精密機械や液晶工場など製造時の室内条件が非常に厳しい要求をされる現場にも多く採用されています。