VAV空調システムの仕組みは?VAVの種類を紹介

VAV

VAV空調システムは「Variable Air Volume」の略で、「可変風量方式」とも言われる空調システムの方式のひとつです。

効率がよく大型の施設での空調コントロールに欠かせないシステムになっているVAVですが、その中でもいくつかの種類があります。

今回は、VAV空調システムについて「VAV」の呼び方や種類、特徴などを紹介します。

VAV空調システムの読み方・仕組みとは

VAV「variable air volume」は「ブイエーブイ」と呼ばれることが一般的ですが、「バブ」と呼ぶ人もいます。

室内の負荷(温度差)によって送風量を多くしたり少なくしたりして室内の温度をコントロールする仕組みです。

ルームサーモ(室温設定器)などからの信号(要求風量信号)により、風量を変化させます。
このとき、通過風速をセンサーで計測し、要求風量と比較しながら制御するので、適正な風量コントロールが可能です。

ダクト静圧が変化してもつねに風速センサーで計測しているため、すばやく風量を制御。
標準品には全閉機能が備えられているので、使用しない部屋の空調をカットして、省エネを実現します。

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VAVの種類

VAVの種類は「バイパス式」「絞り式」などがあります。
それぞれ特徴が違うため、設置場所や使用目的によって使い分けることをおすすめします。

種類1.バイパス式VAV

このユニットの機能は、室内の負荷が少なくなるとその分に見合った風量を還気ダクトや天井内にバイパスさせるものです。

中・大規模の事務所ビルや、個室混在の建物内周部に使われます。
空調機の代わりに中小容量のパッケージユニットで、全空気・定風量システムにする場合にも使用可能です。

バイパスユニットの中でも2種類に分かれています。

機械式バイパスユニット

ケーシングの内部が二つに分かれていて、一方が吹き出し口に、もう一方がバイパス側となっています。
両方の入り口に逆作動さんせるダンパがつけられていて、オペレーターに接続されている形です。

このオペレーターというものは、室内サーモスタットの指示によって作動。
室内吹き出し口の幅をせばめて適正な風量だけを室内に噴出させて、減少した空気はバイパスを伝って天井裏へと流します。

負荷に見合った送風ができるため、とても効率のいいシステムになっています。

流体素子原理を応用したバイパスユニット

1932年に発見された「コアンダ効果」と呼ばれている、噴流の平面への付着現象を利用したものです。
これは一方に壁がある空間に流体を入れると、噴流が壁について曲がるという現象。

壁と噴流との間に付着うずができて圧力が下がります。
付着壁側と反対の空間は障害物がないため大気圧が保たれ、噴流全体を壁におしつけ流れることになるというもの。

空調機からの風は、壁に付着し、一方の出口へと流れていきます。
この時に発生した圧力差により、安定した流れで壁側を伝っていく形です。

バイパス式VAVのメリット

主に以下の3点です。

  • 負荷が変わってもダクト内の圧力がほぼ一定で騒音が起こらない
  • 圧力の損失が少ないことや、構造がシンプルなこと
  • 送風機制御が要らない
  • また、ダクト空間が比較的大きいのも特徴です。

    比較的設備費は高価で、コスト増はVAVユニットと室温制御、空調機の給気温度制御、外気冷房制御です。
    コスト減は天井還気チャンバで、RAダクトが減少します。

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    バイパス式VAVのデメリット

    主に以下の3点です。

  • 自己静圧調整器がないこと
  • 熱負荷がかわった場合でも空調機の送風量は一定のため、送風機動力の省エネはできないこと
  • 各部屋への一定外気量を保つためには、空調機への外気を入れる量をバイパス量と比例させなければいけない
  • 吹出口は風量減時に気流分布の悪化を考えて、アネモ型のような高誘引比をおすすめします。

    こういった特徴により、バイパス式ユニットは比較的小さめの設備に適しています。
    流体素子式のユニットを用いると吹き出し口の特性が一定なので暖房に利用しやすいという特徴があります。

    種類2.絞り式VAV

    中大規模の事務所ビルや、個室混在の建物内周部、負荷特性の異なるゾーンの混在にも対応できるVAVです。

    9階建くらいの自社事務所の場合、各階に空調機を設けるよりも、屋上に一括して全階の空調機を設置して、各階単位のVAV方式にすると、設備費を抑えられます。

    絞り式VAVのメリット

    特徴として、空気搬送エネルギーの削減が可能になっており、還風機とダンパ制御により中間期の外気冷房が可能です。
    時間外など個室に対して単独に延長運転が可能で、必要な風量に相当する回転数までファンの回転数を減らすことができるため、ファン動力を最小限に抑えられます。

    給気温度を制御するので、部分負荷時(ピーク負荷以外の時間)に、室内の相対湿度は上昇しません。
    個室混在の場合も室温制御は良好に保っています。

    また、設備スペースも天井内でVAVを設置するので、ダクト空間が大きくなるのも特徴です。
    主要な保守項目は空調機、そえに加えてVAVユニット、空調機ファン、還風機のインバータ、外気冷房モーター、ダンパとなっています。

    コスト増は、VAVユニットと室温制御、空調機の給気温度制御、空調機の圧力制御、インバータ設置、室内CO2濃度の維持制御、外気冷房制御など。

    コスト減は天井還気チャンバです。

    絞り式VAVのデメリット

    風量が絞られた際に外気導入量が減るため、室内CO2濃度を検出して外気ダンパを開とすることです。
    もしくは外気導入の単独ファンを設けて定風量装置で空調機に送風する場合もあります。

    吹き出し口は風量減時に気流分布が悪化する傾向があります。
    そのため、誘引比の大きなアネモ型吹出口などが推奨されています。

    送風機の圧力制御に関しては、インバータの回転数制御以外に、ファンのスクロール部にダンパを設けて、吹出面積を加減する制御もできます。

    インバーターでファンの回転数を制御する場合は、5%程度のエネルギー損失が生じます。
    高周波のキーンという騒音を発するため、空調機近くの吹出口には消音対策が必要です。

    VAVユニットは重要な保守ポイントになっています。
    床上から保守できるよう、高位置のダクトから立下げダクトを設置するか、VAVユニット保守用のステージを高位置に設置することが必要です。

    また、冬期は起動時に最大暖房負荷になります。
    そのため、前日の空調停止の1時間前から外気取入量を最大運転として、室内のCO2濃度を希釈しておきましょう。

    翌朝の起動時に外気ダンパを全開で運転し起動負荷を削減できます。

    まとめ

    今回はVAV空調システムの読み方や仕組みに始まり、VAVの種類について見ていきました。

    VAVは適切な場所に導入すると省エネになり、効果的に力を発揮します。
    しかし間違った場所に設置した場合、建設費や運転費にも大きく左右されてしまうのです。

    VAVの仕組みや種類、それぞれの特徴をしっかりと理解して、効率のいいシステム運用を目指しましょう。

    VAV方式の空調システムの導入なら空研工業

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