飲食店などの厨房は常に火や油を使うことから、適切に風を取り入れないと厨房内が熱気で包まれ、作業環境の悪化や火災などのリスクを高める可能性があります。
一方で、風の量が多すぎれば、油や調理の臭いが客席にあふれるなどの不都合も生じかねません。
そこで、「厨房用VAV・CAV」を導入することで適切な風量制御を行うのがおすすめです。
ここでは、厨房の油汚れ・大風量調整に最適な制御装置である空研工業の「厨房用VAV・CAV」の製品概要や導入するメリット、製品の特徴についてご紹介していきます。
厨房用VAV・CAVとは?VAVとCAVの違いをわかりやすく解説
商業施設や地下街など、飲食店が密集する場所では、厨房内の空気環境を敵切に保つかが大切になります。
そのために活用されるのが、厨房用VAV・CAVという空調制御装置です。
ここでは、それぞれの役割やVAVとCAVの違いを解説します。
VAV(Variable Air Volume)とは
VAVは「可変風量制御装置(Variable Air Volume)」の略称で、状況に応じて風量を自動的に調整することができる装置です。
厨房内の熱や煙の発生量に合わせて、常に最適な風量をリアルタイムで供給できるのが特徴です。
CAV(Constant Air Volume)とは
定風量制御装置(Constant Air Volume)」の略称で、名前の通り常に一定の風量を維持するタイプの装置です。
変化の少ない空間や、ある程度決まった条件下で運用される厨房に向いています。
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VAVとCAVの違い
厨房用空調システムにおいて、VAVとCAVの違いをまとめると以下になります。
- 制御方法:VAVは風量を変化させるのに対し、CAVは一定の風量を保ちます。
- 柔軟性:VAVは調理状況に応じたフレキシブルな対応が可能、CAVはシンプルで管理が容易です。
- エネルギー効率:VAVの方が負荷に応じて風量を抑えられるため、省エネ性が高いです。
厨房用VAV・CAVの目的
飲食店やホテルなどの厨房では常に火を取り扱うため、大量の風量を外から取り込む必要があります。
厨房内の風量が少ないと煙や熱や臭いが厨房にこもって労働環境の悪化や調理ができなくなる不具合を引き起こし、火気が引火して火災発生時の被害を増大させるリスクも生じかねません。
一方、風量が多すぎてもいけません。
厨房内の風量が多いと、風に乗って調理の臭いや油臭さ、場合によっては生ごみ臭などの悪臭が漏れ、客室環境を悪化させる恐れがあるからです。
特にホテル内のレストランやおしゃれな高級レストランでは客室への臭い漏れはタブーです。
そこで風量を適切に制御するための便利な装置が厨房用 VAV・CAVであり、店全体の適切な風量バランスを保つために役立ちます。
厨房排気におけるもう一つの問題として、排気ダクトに油汚れなどが入り込みやすく、常に忙しくて清掃を行う機会も得られないことから、油汚れやホコリが固着することで、排気がスムーズに行われないケースも少なくありません。
排気ダクトの清掃不良など、油汚れの固着による動作不良を抑え、メンテナンス性にも優れているのが、空研工業の厨房用 VAV・CAVです。
厨房用VAV・CAVの特長
厨房の環境を整え、客室もクリーンに保ってくれる厨房用VAV・CAVは、さまざまな工夫や品質を向上した製品が登場しています。
中でも多くの飲食店や飲食店街を抱える商業施設から選ばれている空研工業の厨房用VAV・CAVの特長について見ていきましょう。
着目したい特徴として、ピトー管方式の風速センサーで風速を計測し風量をコントロールできること、耐蝕性に優れていること、そして、メンテナンスが容易にできる点が挙げられます。
1.風速センサー(ピトー管方式)
風量をコントロールするためには、常に風量の測定が行える風速センサーが取り付けられていないといけません。
空研工業の厨房用VAV・CAVは、多点で風圧を測定するピトー管方式が採用されているのが特長です。
ピトー管には風の流れに対して正面と直角方向に小孔が設けられており、小孔から圧力を取り出す細管が内蔵された装置です。
全圧と静圧の圧力差をマイクロマノメーターで測定することで、風速を計測できる装置となります。
空研工業の厨房用VAV・CAVでは、2点ではなく多点で風速を測定するピトー管方式を採用しているため、差圧が平均化でき、より安定した風量測定ができるため、より適切な風量制御が可能です。
2.優れた耐蝕性
耐蝕性とは腐食に強い、つまり、サビにくい性能を持つことです。
厨房用VAV・CAVのピトー管式の風速センサーは耐蝕性が高いステンレスを採用しており、角形の軸受にはシール型ボールベアリングを採用しています。
そのため、油分が侵入しにくく、油汚れの固着を防止し、酸化によるサビや腐食を予防し、安定的で正確な風速計測を行えます。
装置の耐久性や寿命を維持してくれ、コストパフォーマンスにも優れているのがメリットです。
3.容易なメンテナンス
ユニットから風速センサーを取り外すことができ、点検口も大きく設けられています。
見やすい点検口を通じて、ユニット内の油着状況を確認し、清掃・メンテナンスがしやすいのも大きな特長です。
厨房用VAV・CAVは火気による煙や油汚れが舞い散る厨房エリアに設置されるため、どうしても煙や油汚れの影響を受けます。
ダメージによる劣化を抑え、長く最適な状態で使い続けるためにも、定期的な点検や清掃は欠かせません。
製品の機能を維持するために以下の要領で点検を行っていきましょう。
①強制開閉操作を行い、全閉から全開まで羽根がスムーズに開閉するか確かめましょう。
②動作させた際に、本体や駆動装置から異音がしていないか確認してください。
③圧力検出チューブの外れや折れ、切断がないか確認が必要です。
④圧力検出チューブ内に異物が詰まっていないか、よく見ておきましょう。
⑤ピトー管の破損や詰まりがないかを確認してください。
⑥本体・駆動装置に破損や変形、サビなどが生じていないか確認してください。
次に、点検した結果に応じて、清掃を実施しましょう。
①作動不良や異音の発生がある場合には本体内部を清掃します。
②圧力検出チューブに異物の詰まりがあるときや油汚れやホコリが付着している際は圧力検出チューブを清掃しましょう。
③風速センサーのピトー管に詰まりがあるときは、丁寧かつ慎重に詰まりや汚れを取り除いてください。
まとめ
厨房用VAV・CAVは常に火を使い、煙や油の臭いなどが充満する飲食店や商業施設、ホテルなどの厨房において、煙や熱がこもらないよう取り込む風量の適切なコントロールをすることができる装置です。
風量が少なすぎれば、厨房内に煙や熱がこもって調理作業などに不具合が生じ、風量が多すぎれば客室内へと煙や臭いなどが漏れて不都合が生じます。
空研工業の厨房用VAV・CAVはピトー管式の正確性の高い風速センサーを用い、常に風量が適切に保てるようコントロールできる便利な装置です。