なぜダクトから水漏れ?発生原因と対策を紹介

晴れているのに天井から水が滴ってきた、雨がやんでもずっと水が滴っている、外壁や内壁に水シミができているといったケースを経験したことはありませんか?

水漏れの原因はさまざま考えられますが、屋根や外壁からの雨漏りでもなく、考えられる原因を調べてもわからないという場合、ダクトからの水漏れも疑ってみましょう。

ダクトというのは本来、排気や換気など空気の通り道として使われています。
空気の通り道であるダクトで、なぜ水漏れが起こるのでしょうか。

ダクトの水漏れの原因と放置した場合の被害の内容、水漏れの改善や水漏れを起こさないための対策をご紹介します。

ダクトの水漏れとは

ダクトはビルやマンション、店舗などに設置され、室内の排気や外気との循環に利用されたりエアコンの送風などに利用される設備です。
主に空気の出し入れを行うために利用されるものです。

空気の通り道であるダクトから、水が漏れるトラブルが起こる場合があります。
ダクトと通じている部分などから水が漏れ、天井から水が滴ってくることや天井や内壁に水シミができることがあります。

水漏れの原因や状況によっては、ダクトの排気口などがある外側からも水漏れが起こり、外壁に水シミができることも少なくありません。

雨が降った日に起こることもあれば、雨とは無関係に起こることもあり、絶えず水漏れが続く場合もあります。
どうしてこのような水漏れが起こるのか、原因を見ていきましょう。

ダクトの水漏れの5つの原因

ダクトの水漏れの原因はさまざま考えられますが、代表的な原因3つとそれに加えて起こりやすい原因1つ、さらに稀に起こる可能性がある原因1つの合計5つをご紹介します。

原因1.結露

空気の通り道であるダクトからの水漏れの代表的な原因が結露です。
空気には水蒸気が大量に含まれています。

換気ダクトなどを通って、室内の空気が外へと排出される時、外気との気温差があればあるほど、ダクトパイプが冷やされます。

気温差によって空気が冷やされ、ダクト内に結露が生じ、水漏れの原因になるのです。

原因2.台風や豪雨トラブル

台風や豪雨などの激しい風雨が起こった際、建物の外側から風雨が吹き込んでダクトに水が入り込んでしまい、ダクトの中に水が溜まってしまうことがあります。
次第に水が溜まり、ある程度の量になって溜まりきれない状態になると、天井や換気扇、吸気口などから水が滴ってくることがあります。

雨が降っていない日に水漏れが起きている場合、ダクト内に水が溜まっているかもしれません。
頻繁に台風や豪雨が来たときや雨が多い梅雨時期には、ダクト内に溜まってしまった雨水による水漏れに注意が必要です。

また、経年劣化をはじめ、ダクト内に長年のホコリが堆積することで、ダクトがV字型に下がってしまい、そこに雨水が溜まりやすくなることもあるので注意しましょう。

原因3.勾配

ダクトへと外から風雨が吹き込み、水が溜まって室内へと水漏れしてくる場合、単に水が溜まったにとどまらず、ダクトの勾配にも問題があるケースも少なくありません。
ダクトは設置する場所などにより、水平に設置されることもありますが、勾配を付けることも多いです。

水平に設置されていると、ダクト内に結露などが生じた際に水を外へと排出しにくいため勾配を付けます。
特に外壁部分に沿うように設置されている場合、結露や入り込んだ雨水が外へ自然と吐き出されるよう、建物側から外側へと勾配を付けるように設置します。

この勾配が設計ミスや施工ミス、もしくは、地震の揺れや老朽化などの影響で、建物の内側へと向いている場合や勾配を付けるべき場所が水平なままになっていると、ダクト内になんらかの原因で溜まった水が、室内へと流れてしまい、水漏れを引き起こします。

原因4.ベントキャップに起因するトラブル

雨漏りが起こる意外な原因として、元をたどるとベントキャップがキッカケになっていることがあるので、ダクト内に水が入り込んだ原因が分からないときはベントキャップからの入り込みも疑ってみましょう。

ベントキャップはダクトの外壁貫通部に設置され、給気口や排気口の役割を果たします。
通常、雨除けカバーや雨返しが付いているため、雨が入り込むことはあまりありません。

しかし、強風や台風によって、吹き上げるような風が吹くと、ベントキャップ内へ風が入り込んできます。
そのとき、雨も降っていると吹き上げる風と一緒に雨も入ってしまいます。

これに加えて、ダクトの取り付け方が室内に向かって下がる勾配となってしまっている場合やダクトの接続ビスの位置などによって、水漏れが起こるリスクが高まるのです。
ダクトは主に何ヶ所かをビスで接続したうえで、継ぎ目にダクトテープを巻きつけて接続されます。

しかし、下面にビスを打ってしまうと、雨水がビス穴から漏れてしまうおそれがあるのです。

原因5.エアコンの故障や排気ファンのトラブル

エアコンや排気ファンとの関係で、ダクトから水漏れが生じるケースもあります。
ダクトの排気ファンが古い、経年劣化を起こしている場合、排気能力が低く十分に蒸気を吸い上げきれず、ダクト内に水が溜まってしまうことがあります。

また、エアコンの調子が悪い、故障などによりエアコンを使っていない状態でダクトの排気ファンを回すと風が強すぎるなどの理由から、室内の快適性が損なわれたことで、排気ファンの稼働を停止させ、またフルモードで使わなかったために、蒸気を吸い上げられずダクト内に水が溜まり、水漏れの原因となるといったケースもあり得るので、排気ファンはしっかり回しておくことが大切です。

発生しうる3点の被害

では、水漏れの原因がダクトだとは思わず放置しているとどうなるのでしょうか?

被害1.水漏れによる室内や室外へのダメージ

天井や外壁からの水漏れなどで、内装材にダメージが加わります。
建材や内装材に湿気が溜まり、カビやサビが発生するリスクもあります。

ビル外壁に設置されたダクトの下部から水漏れをすれば、外壁に水シミができ窓サッシなどにサビが生じるおそれも少なくありません。

被害2.機器の故障

水漏れはダクトをはじめ、ダクトと接続している機器や機械、設備などの故障の原因にもなります。

被害3.経済的負担やストレス

水漏れの原因を突き止めるための点検や調査、修理や設備交換が必要となり経済的負担が増えます。
また、原因がわからないまま、水が滴り続ければ、精神的なストレスにもつながりかねません。

ダクトの水漏れの4つの対策

ダクトの水漏れが発生したときにどうすれば良いのか、また、ダクトの水漏れを防ぐにはどうすれば良いのか、対策をご紹介します。

対策1.つなぎ目の隙間の修理

ダクトから水漏れを防ぐためには、ダクトのつなぎ目部分に隙間ができていないか、穴などが空いていないか、点検しましょう。
ダクトテープがしっかり巻かれているか、下面にビス穴がないかを確認します。

下面にビスが打たれている場合、一時的な対処策としてコーキングでビス穴を塞ぐことはできますが、完全に水漏れを防止するには改めてダクトを交換設置することが必要です。

対策2.室内の換気

水漏れを防ぐ日々の配慮として、室内の換気をしっかり行いましょう。
換気をしっかりと行うことで、室内の水蒸気の量を減らすことにつながり、ダクト内部に水蒸気が溜まることを防ぐことができます。

対策3.ダクトの勾配

ダクトの勾配は外壁に向かって下げる設定にします。
仮にベントキャップなどから雨が入り込んだとしても、外側に向かって勾配が付いていれば、外へと排出され室内で水漏れすることは通常あり得ません。

対策4.機器のメンテナンスや修理

ダクト内に溜まったホコリの重みで勾配が内側に向いてしまうケースもあります。
そうならないようにダクトは定期的に分解洗浄し、きれいに保ちましょう。

また、エアコンや排気ファンの故障はすぐに修理することや新しいものに交換することがおすすめです。

まとめ

ダクトの水漏れの5つの原因は結露、台風や豪雨によるトラブル、勾配の設定、ベントキャップに起因するトラブル、エアコンの故障や排気ファンのトラブルです。
ダクトに取り付けられているベントキャップからの水漏れは、風の吹き上げ・ダクトの勾配・接続ビスの位置の3条件が揃うと起こりやすくなります。

発生しうる3点の被害は水漏れによる室内や室外のダメージ、機器の故障、経済的負担やストレスです。

ダクトの水漏れの4つの対策として、室内の換気をしっかりと行い、ダクトの継ぎ目の点検を行い、必要に応じて勾配を付け、機器のメンテナンスを行うようにしましょう。

ベントキャップの損傷やエアコンや排気ファンの故障やトラブルの場合は、機器の交換や修理も必要です。
ダクトが汚れている場合は分解洗浄を行うとともに、今後の水漏れ予防策として定期的な清掃やメンテナンスも行うようにしましょう。

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