ダクトに使用される分岐管 – 用途・役割・種類・材質について解説

ダクトは空調などの設備に不可欠な存在であるということは知っていても、具体的にどのようなはたらきをしているのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

ダクトは使用する場所によって、つないだり分岐させたりする必要があります。
そして、その役割を担っているのが分岐管です。
この記事では、ダクトの基礎知識から分岐管の用途・役割・種類・材質について、わかりやすく解説します。

ダクトとは

「ダクト」とは簡単にいうと、空気などの気体が通る管のことです。

空調や冷暖房設備を使用する際、空気の入れ替えが行われますが、その役割を果たしているのがダクトです。
ダクトは送風機と制気口をつなぎ、送風機から送られてくる空気を室内に取り入れます。

また、室内の古くなった空気を制気口から室外へ排出することも、ダクトの役割です。
ダクトのはたらきは複数あり、それに合わせて「換気用ダクト」「空気調和用ダクト」「排煙用ダクト」と、それぞれ呼び名があります。

さらに、空気調和用ダクトには「給気ダクト」と「還気ダクト」があるというように、細かく分類されているのです。

ダクトはさまざまな規模の設備に使用されるため、サイズや形状が異なります。
一般的によく知られているのが「角ダクト」で、これは規模の大きい空調設備などに設置される傾向があるようです。

ダクトが設置される主な場所は、天井など建物や部屋の上部です。

ダクトに使用される分岐管の用途

通常、一つの設備には複数のダクトが設置されます。

ダクトとダクトをつなぐ際、サイズを変更したり、気体を流す方向を変えたりする時に使われるのが分岐管です。

実物のダクトを見るとわかりますが、すべてのダクトは直線でつながれているわけではありません。
設置する場所や、適切な配管を考慮した場合、ダクトを方向転換させたり、分岐させたりしているのです。

ダクトを接続するために用いられるものには分岐管の他に継手があり、両方使用される場合がほとんどです。
一つのダクトから二方向に分岐させたい時に分岐管は活躍します。

ダクトに使用される分岐管の役割

分岐管の大きな役割は、ダクトを適切に配管するということです。

ダクトを適切に配管するには、いくつかポイントがあります。
ダクトの配管は、機械からできるだけ最短距離になるよう設計されます。

そのためには、ダクトの長さだけでなく、「曲がり」もそろえたり減らしたりする必要があることはご存じでしょうか。

そして、ダクトを流れる風量のバランスを取るために、分岐管を使ってダクトを分岐させます(すべてのケースに当てはまるわけではありません)。

ダクトを柔軟に設置できればできるほど、その施設にあった空調が実現します。
直線の他に、曲げる、分岐させる、方向転換させるなど、複数の設置方法が利用できると、柔軟な設置が可能になります。

柔軟に設置できるということは、無理な接続を防ぐことにつながります。

たとえば、最短距離でダクトを設置しなければならない、ということにこだわりすぎるあまりに無理に設置してしまうと、抵抗力が発生してしまいます。
この抵抗力は各部にも生じることになり、無駄なエネルギーを消費してしまします。

こうしたダクトによる問題を避けるには、無理のない配管の設計が必要になりますが、分岐点を適度に配置することで、抵抗力の発生を防ぐことが可能です。
無理なく設置する、その場所にあったダクトの配管は、その後のメンテナンスも楽になることが期待されます。

もちろん、継続して使用していくと老朽化することは避けられませんが、ダクトがメンテナンスしやすく配管されていれば、管理も楽になり不具合もすぐに見つけられることでしょう。

分岐管は空調などの機械を適切に稼働させたり、定期的な点検をしやすくさせたりするために大切な役割を果たしていることがわかります。

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ダクトに使用される分岐管の種類

ダクトに使用される分岐管は、幅広い用途に対応するため「T管」と「Y管」の2つの種類があります。

T管

分岐管の一つで、見た目がT字型をしていることから、こう呼ばれています。
T管は空気の流れを、左右2方向に分岐させたい時に便利です。

ダクトを配管する際、方向だけでなくサイズも変更したいというケースも少なくありません。
そうしたケースに対応しているのが、空気の分岐とダクトのサイズ変更ができる、RT管です。

どちらか一方の出口を閉じたい場合は、MT管を利用します。
2本のT管にキャップをつなげると、空気を3方向に分岐できるようになります。

このタイプのT管は、WTM管と呼ばれています。

Y管

アルファベットの「Y」に似た形をした分岐管で、空気を2方向に分岐させます。

T管は、真横に向かって分岐させますが、Y管はどちらかというと、斜めの方向に、空気を分岐させていきます。
Y管にも、「RY管」「TY管」「RTY管」など、設置したい環境に合わせて、複数のタイプがあります。

どちらのタイプの分岐管が良いかは、ケースバイケースです。
無理のない配管を計画し、それに合ったものを選ぶことがポイントになるでしょう。

ダクトに使用される分岐管の材質

分岐管には複数の材質が使用されています。
主な材質について、その特徴を見てみましょう。

亜鉛メッキ鋼板

分岐管に使用される材質として、最もよく知られているのが、亜鉛メッキ鋼板です。
防サビ効果が高く、耐食性にも優れています。

塩ビコーティング鋼板

塩ビコーティング鋼板も、分岐管によく利用されている材質です。
耐食性はもちろんのこと、酸や薬剤にも強く、薬品工場やプールなど、さまざまな施設で利用されています。

ステンレス鋼板

ステンレス鋼板の最大の特徴は、サビにくいという点でしょう。
水気があり、腐食が気になる施設や建物で利用されているダクトには、ピッタリの材質だと言えます。

まとめ

ダクトの基礎知識と、ダクトに使用される分岐管、材質について詳しく説明しました。
さまざまな場所にダクトを設置するために、分岐管は大活躍します。

そして、細かな用途に対応するため分岐管にはT管やY管といった種類があることもわかりました。

また、分岐管には複数の素材が使用されていて、それぞれ特徴があります。
使用する用途や場所などにあった分岐管を選ぶことが、ダクトを適切に配置することにつながります。

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