ダクトの断熱材とは?仕組みや役割について徹底解説

オフィスビルや商業施設、工場などの空調設備で冷気や暖気を各フロアや各室へと運ぶダクトや、飲食店やホテルや介護施設、病院などの厨房施設における給気ダクトには断熱材を巻くことが大切です。
なぜ、断熱材が必要なのか、ダクトと断熱材の関係性や断熱材の役割についてご紹介します。

ダクトの断熱材とは

ダクトはビルや商業施設、工場などの中規模、大規模な建物において、セントラル空調設備を通じて作られた冷暖房の冷気や暖気を、各フロアや室内に設置された制気口へと運んだり、飲食店などの厨房施設において煙や汚い空気などを運び出して排出する排気ダクトなど、空気の通り道となるものです。

ダクトが剥き出しになっていると、各室へと長い経路を空気が通過する過程において、冷房の冷気は温まってしまい、暖房による暖気はダクト周囲の冷たい空気に冷やされてしまいます。
そのため、一定の温度に室温を保つために、より高い温度の暖気や、低い温度の冷気を送り込まなくてはなりません。
つまり、冷暖房効率が悪くなり光熱費がかさむうえ、二酸化炭素の排出量が増えることによって地球温暖化にもつながってしまいます。

そこで、ダクトに断熱材を巻くことで、ダクト内から熱が逃げダクトの外側から影響を受けるのを防ぐことが必要になります。

また、ダクト内を送られる空気とダクト周りの外気に温度差が生じると結露が発生するのはご存じでしょうか。
ダクトから水滴が垂れてくるほか、室内が湿気でこもったり、天井や壁にしみができたり、湿気を好むカビやダニ、シロアリなどの発生原因にもなりかねません。

建物の鉄部にサビが発生して腐食する恐れもあり、室内環境の悪化だけでなく、建物そのものの安全性にも影響をもたらします。

そこで、結露を予防するためにも断熱材の使用が必要です。
レストランの厨房などの排気ダクトには不燃性、耐火性のある断熱材の使用が義務付けられています。

防災の観点から、自治体が建築時の消防検査の対象とするケースも増えており、ダクトの断熱材は重要な意義を有しているのです。

ダクトの断熱材の役割

空調設備のダクトに断熱材を巻けば、ダクト周囲の室温によって冷気が温められたり、暖気が冷やされたりする影響が少なくなり冷暖房効率を高められます。

省エネにつながり地球温暖化防止に貢献でき、光熱費の節約にも役立つのがメリットです。
結露予防にも役立つので、建物の腐食を防ぎ、室内環境を快適に保つ役割もあります。
建物へのダメージを抑え、メンテナンス費用や改装費用を抑え、建物の寿命を延ばすことにも役立つのです。

結露が発生してカビやダニなどが発生したり、湿気の多い室内環境になれば、そこで働く方や利用する人にも不快感を与えたり、場合によってはアレルギーをもたらすリスクもあります。

ダクトに断熱材を巻くことで快適な室内環境をもたらし、働く方の快適な労働環境や利用する方が健康的に過ごせる環境づくりにも役立ちます。

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ダクトの断熱材の仕組み

ダクトの断熱材はダクトの設置時か、もしくは、既に設置されているダクトに対して後から断熱材を巻き付ける仕組みです。

グラスウールとロックウールなどの断熱材をダクトに巻くことで冷暖房効率を高めたり、結露を予防することにつながります。

ダクトの断熱材の方式

ダクトの断熱材の方式はさまざまありますが、代表的なのはグラスウールです。

グラスウールはガラス繊維を原材料にした断熱材で、耐熱性や耐火性にも優れています。
各メーカーでさまざまな製品が開発されており、吸音効果や調湿効果が高いなど、より性能を高めた高性能グラスウールも人気です。

断熱材が出回る前は二重鉄板ダクトが利用されているケースもありましたが、ダクトにグラスウールを巻き付ける工法なら、重量は約4分の1に抑えられるので、構造体への負荷を軽減し、施工工期の短縮やコストダウンも実現できるのがメリットです。

ダクトの断熱材の構造

断熱材というと、ふわふわした柔らかい素材をイメージされることでしょう。

ですが、実際の断熱材は外気とダクト内の温度差を遮断するだけでなく、防火性や耐火性、高い耐久性能を発揮する構造となっています。

そのために一見柔らかく見えるウール素材も、ガラスや天然鉱石など耐火性能に優れた強靭な素材を特殊技術で繊維化して造られています。

ただし、グラスウールは紫外線や衝撃に弱いのが一つの弱点です。

そこで、ダクトに巻き付けた断熱材を保護するために、ラッキングを施す構造にすることが求められます。
ラッキングとは薄い金属でできた板状の部材を、断熱材の上から巻き付ける工法です。

紫外線から保護して耐候性を高め、衝撃からも保護して耐久性を高めるだけでなく、断熱効果や防火性などもより高めることにつながります。

まとめ

ビルや商業施設などの空調ダクトが剥き出しになったままでは、外気の影響を受けてしまい、冷暖房効率が落ち、結露の原因になります。

断熱材を巻いて外気との接触を遮断をすることで冷暖房効率が高まり、省エネ効果や地球温暖化防止への貢献、光熱費のコストダウンにつなげることが可能です。

結露予防を通じて室内環境を快適に保ち、建物のダメージを抑え、建物寿命を延ばすことにも役立ちます。

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