制気口の風速の正しい設定方法とは?計算式を解説

制気口を新たに設置したり、老朽化や故障などによって交換したりする場合、メーカーの検討や製品の性能や価格面を重視しがちです。

性能や予算に合わせた制気口選びも大切ですが、何より大切なのは、設置する場所や環境に合わせた最適なサイズです。

サイズが大きすぎれば、余計な導入コストがかかるうえ、天井の収まりが悪くなって、施工に支障が生じ、期待する性能が発揮できません。

一方、小さすぎても十分な換気や空調など、求める機能が期待できなくなります。

適切なサイズの制気口を選ぶためには、風速を正しく設定することが大切です。
制気口選びに重要なポイントとなる風速の設定と、風量計算などについて見ていきましょう。

制気口の風速とは

制気口は、冷暖房や換気に伴い、風量調節や風向調節の機能も担う、吹出口や吸込口の設備です。

オフィスビルや商業施設、工場やホールなどの大型施設に設置されるケースも多いので、快適な冷暖房や換気を行うとなると、風量は多く、風速は速くと思い込みがちです。

もっとも、風量が多すぎ、風速が速すぎれば、そこを利用する人との距離や環境によっては、風が当たりすぎるなど不快感を生じさせます。

また、大量の風や速度の速い風は、騒音にもなりやすいです。

そのため、制気口を設置する空間の規模や使用目的、利用する人の人数や利用する人との距離感、滞在時間などの使用環境も踏まえて、風量や風速を正しく設定することが求められます。

この点、風量を測定するには、風量計ではなく、風速計が用いられます。
羽根車式の風速計よりも、熱線式微風速計を使うのが一般的です。

筒状の風速計を制気口に当てて風速を測ると、風量が自動的に算出されるタイプが便利です。

制気口の風速を求める目的

制気口の風速を求めるのは、適切なサイズの制気口を選定する目的と、その場を快適に保つ目的もあります。

広大な空間に冷暖房の風を送るためという目的でも、その場所の利用状況によって、適切な風速や風量は異なってきます。
広いフロアに少人数のスタッフが長時間にわたって作業をするオフィススペースや、高齢者施設や保育園などの建物であれば、大量の風が勢い良く吹き付けるのは、快適とは言えません。

一方、多数の方が密集して騒ぐコンサートホールや、寒さや暑さを一瞬にして解消したい商業施設のエントランスホールなどであれば、少し強めにする設定が必要となるでしょう。

そのため、制気口を設置する場所ごとに、規模や使用目的、想定される利用状況などをもとに適切な風速や風量を設定する必要があるのです。

最適な風速や風量を得るためには、制気口の形状やサイズが大きく影響します。

つまり、設置すべき制気口のサイズを求めるうえでも、適切な風速や風量を設定しなくてはなりません。

制気口のサイズが大きすぎれば、無駄な導入コストがかかるうえ、天井の収まりが悪くなって施工に支障が生じたり、そこを利用する方に不快感を与えるおそれがあります。

一般的にサイズが大きくなるほど価格は高く、設置工事の費用も高くなるため、余計なコストがかかってしまうので注意が必要です。

一方、小さすぎれば、冷暖房が十分に効かない、適切な換気ができず、空気が汚れるなどのおそれがあります。

そのため、想定される環境に合わせ、各メーカーが提供するカタログや製品資料などのデータをもとに、適切な計算を行い、最適な制気口のサイズを選定する必要があるのです。

最適なサイズの制気口の導入なら空研工業

制気口の風速の計算式

制気口のサイズを選ぶうえで、もっとも重要な基準となるのが、制気口を構成する吹出口、または吸込口の風速です。

一般的には風速が4m/sを越えると、風切り音と呼ばれる耳障りな音が発生するため、3m/s以下に設定します。
計算する際は、通常、風速2〜3m/sが使用されます。
風速2〜3m/sというのは、いわゆるそよ風レベルです。

従来品の交換の場合など、より現場の状況に即した計算をしたい場合には、実際に風速計を用いて測定を行いましょう。

風の通り道に風速計を当てて風速を測り、通り道の開口面積を介して風量を求めます。
風速計は、毎秒○.○○mと表示されますので、その数値に開口面積をかけ合わせます。

風速の計算事例

理解を深めるために、極めて単純なケースを想定してみましょう。

たとえば、1辺が1mの正方形の開口の場合、開口面積は1m×1m=1㎡です。
このとき、風速が毎秒 1mであった場合の計算は、以下の通りです。

1㎡(平方m)×1m/s(m毎秒)×3600s/h(秒毎時)=3,600m3/h(立方m毎時)で計算できます。

3,600m3/hという風量は、まったく風が吹いていない状態で、人が少し早歩きをした際に感じる程度の風で、自分で風を切って歩くときに感じられるほどの量です。

もっとも、実際の制気口は風の通り道が正方形でないケースが多く、しかも、ガラリやグリルと呼ばれる格子状などのカバーが設置されています。
つまり、ダイレクトに風が抜けてきません。

そこで、メーカーのカタログなどには、有効開口率(%)という数値が記載されています。

有効開口率

有効開口率は製品によっても異なりますが、特に制気口と呼ばれる吹出口のVHSもしくはアネモ、吸込口のHSやアネモなど、制気口の形状や設置されている装置によって、有効開口率に差があります。

制気口の形状がアネモの場合、たとえば、角アネモ、丸アネモ、パン型アネモといった場合には、有効開口率は70%程度が一般的です。

既存のアネモ型制気口の風速を計測したい場合には、すっぽりと覆える測定筒で測定しましょう。

正方形、または長方形の制気口で、風量調整のためのシャッターが付いているVHSや、縦横にルーバーが付いているVHの場合はどうでしょうか。

新規での導入なら、メーカーカタログの有効開口率を利用すればよいですが、既存の制気口で実際の環境を確認したうえで、最適な制気口を選びたいなら、測定がおすすめです。

基本的には5点計測を行って、平均値に面積と有効開口率をかけて風量を求めます。
新たに風速計を用意するのであれば、10秒間に10回測定できる測定器と測定筒を利用することで、より速く、より正確な風量測定ができます。

この点、開口率は制気口のサイズを求めるうえで、極めて重要な要素です。
たとえば、開口率が半分になったとすれば、2倍の大きさの制気口が必要となるほどの差が生じるためです。
開口率が半分になるケースがあるのかと、油断されるかもしれません。

ですが、室内に設置される制気口や、ガラリの有効開口率70〜80%程の製品が多いものの、屋外に面して装着するガラリの場合、雨風の侵入を防ぐために、開口率は20〜40%程に抑えられているのが一般的です。

そのため、計算にあたっては、1つずつ、カタログなどで有効開口率を確認しなければなりません。

風速の計算

では、実際の制気口を想定して計算をしてみましょう。
風量400m3/hの吸込口として設置したい、有効開口率82%のHSタイプの制気口のサイズを求める計算です。
制気口の吹出し風速は実際の測定値ではなく、一般的な基準の3m/sとします。

まず、制気口の面積を求めましょう。
面積S=風量÷秒毎時÷風速÷有効開口率となり、400m3/h÷3600s/h÷3m/s÷0.82=0.0451㎡となります。
正方形の制気口を設置したいなら、一辺の長さを平方根から求めてください。
√0.0451=0.212mと計算できます。

この数値をもとに、切りが良いサイズを選びましょう。

たとえば、最適な正方形の制気口のサイズは、250mm×250mmと選定することが可能です。

まとめ

制気口を新たに設置したり、交換したりしたい場合には、最適なサイズを求めることが必要です。

大きすぎれば、無駄な導入コストがかかるうえ、設置工事もしにくく、快適な空調や換気が行えなくなります。
空間の広さだけでなく、使用目的や利用者の使用状況なども踏まえて、風速や風量を設定する必要があります。

風速や風量を正しく設定したうえで、計算を行うことで、最適な制気口のサイズを求めることが可能です。

制気口の形状やシャッターなどの装置の有無、設置する場所が屋外か屋内かでも、有効開口率に差が生じるので、メーカーのカタログなどを確認しながら、より適切な制気口が選べるように計算をしましょう。

適切な開口率の制気口導入なら空研工業

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