パスダクトとは?制気口との関係と維持・管理方法を解説

換気設備は家庭をはじめ、ビルやマンション、商業施設や工場、医療機関や教育機関などあらゆる施設に欠かせない設備です。
もっとも、換気設備の構造を詳しく理解している方はそう多くありません。

ここでは、換気設備の役割と設置されている制気口の役割や仕組み、そしてダクトの種類の1つであるパスダクトについて詳しくご紹介します。

換気設備の制気口とは

換気設備は、空気を入れ替えるための設備であり、給気設備と排気設備から構成されています。
すべての建物での設置が義務付けられている、私たちの暮らしに欠かせない設備です。

換気設備は、室内で発生する汚れた空気を室外に排出するとともに、室外からきれいな空気を取り込んで供給する機能を果たしています。

室内で発生する汚れた空気とは、人間の呼気による二酸化炭素をはじめ、調理などに伴う煙や臭気、工場などで生じる粉じん、有害ガスなどが挙げられます。
換気を行うことで、汚染された空気の汚染濃度を下げることが可能です。

換気設備や空調設備においては、所定の場所へと空気を運ぶために、ダクトが設置されています。
ダクトは風道とも呼ばれており、空調機やファンの前後に設置されている風の通り道のことです。

この点、ダクトの出入口にあたる吹出口や吸込口が開口したままだったとすると、どうなるでしょうか。
外部であれば、雨や風が吹き込んだり、鳥や虫などの害虫や異物などが入り込んだりしてくるかもしれません。

また、室内の内部であっても、その大きさによっては、人やペット、ネズミやゴキブリなどが入り込むリスクもあります。

こうしたダクトへの侵入リスクを防ぐため、吹出口や吸込口には、ガラリやウェザーカバー、ベントキャップやフード、フィルターやグリルといったさまざまな侵入防止装置が取り付けられています。

こうした空気の出入口に取り付けるカバーに、風量調整や風向調整の機能も同時に果たせるようにした設備が、制気口です。

制気口には、冷暖房の調整機能をはじめ、結露防止機能付きの制気口など、さまざまな工夫がなされています。

ダクトの種類

ダクトへの異物侵入を防ぎ、かつ、ダクトから出入りする風量や風向を調整できるのが、制気口です。
ここでは、制気口と繋がるダクトの1つの種類として、パスダクトについて詳しくご紹介します。

パスダクトとは

パスダクトは、別室から給気を取り入れる場合に設けるダクトです。

隣室などほかの部屋から給気を渡す、英語でいうと、別室から空気をパスする機能を持つため、パスダクトと名付けられています。
別室から給気をパスするためには、壁や扉などへの開口設置が必要なほか、風量の違いによる別室との圧力差が必要です。

パスダクトは、次のような2つの目的で設けられることが一般的です。

パスダクトの目的1.換気経路を明確化

まず、換気経路を明確にする目的があります。
なぜ、換気経路を明確にするかといえば、建築物や換気のフローへ予期せぬ影響が出ることを防止するためです。

たとえば、送風機やファンにより給気のみを行ったとしましょう。
すると、室内は徐々に正圧に向かい、最終的には送風機の機外静圧と同圧力を有する状態となり、それ以上送風できなくなるのが理論上の原理です。

しかし、実際には構造体のあらゆる隙間から空気が漏れ出しているため、求められる換気フローへ影響を与えてしまいます。
また、正圧になればなるほど、扉を開放する際に扉を押し込むために必要な力が大きくなり、利便性にも影響を与えるのです。

パスダクトの目的2.空調空気を隣室に送る

もう1つの目的としては、空調空気を隣室に送ることが挙げられます。

空調空気を別室から隣の部屋に送ることが効果的であると判断される場合に、パスダクトが設置されることが多いです。

たとえば、部屋の面積が狭く、空調機の設置が困難な部屋に隣室から空調空気を送ったり、クリーン室の入口など空気の高い清浄度が求められる部分に、隣室であるクリーン室から清浄度の高い空気を送ったりする場合などが挙げられます。

パスダクトを設置するケース

また、パスダクトは壁や扉などに開口の設置ができないケースなどで、開口を設置する代わりに設置されることも少なくありません。
上記のケースとして、次のようなケースが挙げられます。

  • 隣室への音漏れを防止したい場合、隣室との間が防火区画であるため、安易に開口ができないケース
  • 防火区画の開口部はFD付きにする必要があるため、意匠性や納まり具合、コスト面からパスダクトにするケース
  • 差圧制御などで空気の移動量を調整する装置を取り付けたいケース

パスダクトの導入・設置なら空研工業

パスダクトと他のダクトの違い

パスダクトがほかのダクトの種類と異なるのは、送風機やファンがない点です。

そのため、壁や天井などに隙間があるなど、部屋の中にパスダクトよりスムーズに空気が逃げる経路があると、そちらに空気が流れてしまいます。

そのため、パスダクトを設置するにあたっては、空気がパスダクトを通るように、通常のダクトよりダクト径を大きくしなくてはなりません。

なお、明確な基準はありませんが、隣室への空気量がすべてパスダクトを通過すると想定して、ダクト内の風速が1.5m/s程度になるように、ダクトサイズを決定するのが一般的です。

この点、室内の気密性が高いほど、空間がチャンバーボックスの役割を果たします。
気密性が高い部屋ほど、風速が上がっても、パスダクトから空気を取り込むことが可能です。

もっとも、気密性の高さや、逆に隙間がどれくらいあるかを計算により求めることは、一般的に困難です。
そのため、一般ダクトのダクト内風速の標準値である風速10m/s以下に、どこまで近づけられるかは明らかではありません。

なお、パスダクトに送風機を設けて、強制的にパスダクトに空気を送り込むことも可能です。
この場合、通常の種類のダクトと同様にダクト径を決定することができ、送風機を設けることでダクト径を小さくでき、設置しやすくなるメリットが生まれます。

まとめ

換気設備の制気口はダクト内に異物などが侵入するのを防ぐとともに、風量調整や風向調整、結露の抑止機能などもあわせもつ設備です。
制気口と結ばれるダクトであるパスダクトがあります。

ダクトの中でも特徴的なダクトで、隣室など別室から空気を送るために利用されます。

換気経路を整えるなどの役割がありますが、別のルートから空気が流れないよう、パスダクトは通常のダクトよりダクト径を大きくするか、別途、送風機を設置する必要があります。

適切なサイズのパスダクトを設置しましょう。

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