アネモ型吹出口とは?風量の調整方法を紹介

オフィスビルや商業施設などの空調設備では、吹出口からの気流が直接人に当たる、室内の温度ムラが生じる、想定した風量が確保できないといった課題が発生することがあります。

こうした空調環境の調整に関わる設備のひとつが、「アネモ型吹出口」です。
アネモ型吹出口は、天井面に設置される代表的な吹出口で、コーンの位置やダンパーの開度を調整することで、気流の方向や風量をコントロールできます。

本記事では、アネモ型吹出口の基本構造や特徴、風量・風向きの調整方法について、建築設備や空調設備に関わる方向けに解説します。

アネモ型吹出口とは

アネモとは、ビルや商業施設などの天井に設置される空調設備(空気の吹き出し口)の業界用語です。
正式には「アネモスタット型吹出口」といい、丸型や角型のコーン(羽根)を重ねた形状をしています。
中央のコーンを上下させることで放射状に効率よく空気を拡散できるのが特徴で、形状には、主に丸型と角型の2種類があります。

アネモスタット型吹出口

アネモ型の風量を調整する方法は3つ

アネモ型は以下の3つの方法で、風向きや風量調整ができます。

①中コーンを上げ下げする
②ダンパー(シャッター)の開度を調整する
③ファンを取り付ける

ひとつずつ見ていきましょう。

①中コーンを上げ下げする

まずは、中コーンを夏と冬で上下に調整して風向きを変える方法です。

アネモ型の吹出口には「中コーン」と呼ばれるものがあり、これを上下させることで風向きが変えられます。
本来は夏と冬に合わせて調整しますが、あまり知られていないことも多く、年中同じ向きになっている場合があります。

冷房を使う夏は中コーンを下げましょう。
冷房の空気は重いため、コーンを下向きにして水平方向に風を吹き出し、冷気を拡散させるのです。

反対に暖房の空気が軽い冬は、コーンを上向きにして垂直方向に風を吹き出し、床まで暖かい風を送ります。
オートタイプのアネモ型であれば、自動で中コーンを制御してくれますが、オートタイプでない場合は、冷房と暖房の切り替え時に中コーンの上下を忘れず行うことが必要です。

➁ダンパー(シャッター)の開度を調整する

2つ目は、ダンパーの開度によって風量調節を行う方法です。

アネモ型吹出口の中コーンを取り外すと、奥にダンパー(シャッター)と呼ばれる羽根があります。
このダンパーの調節ネジをドライバーなどで回転させ、適度な開度にすることで風量の調節が可能です。

調整された風はダクトを通じて室内に送られますが、ダンパーが完全に閉まっている状態だと室内まで届きません。
ダンパーを適切な開度にすることで風量調節が行えます。

③ファンを取り付ける

最後は、吹出口にファンを取り付ける方法です。
ファンをアネモ型吹出口に取り付けて羽根をトルネードさせ、室内の空気を撹拌させます。

これにより室内の温度差を減らせ、直接風が当たるのを防ぎます。
吹出口自体を調整しても温度の感じ方は人それぞれ異なり、また座席によっても変わるものです。

また電気代の削減や省エネにもなり、取り付けをする際にも電気工事が必要ありません。
吹出口の調整を行っても風向きや風量の調整がうまくいかない場合は、ファンを取り付けることもひとつの方法です。

アネモ型吹出口は制気口の一種

アネモ型吹出口は、空調設備に使われる制気口の一種です。

制気口とは、空調ダクトの末端に取り付けられる設備の総称で、
空気を室内に送り出す「吹出口」と、
室内の空気を吸い込む「吸込口」に分けられます。

アネモ型吹出口は、このうち空気を室内へ送り出す「吹出口」に分類されます。

吹出口と吸込口

「吹出口」は、空調機で調整された空気を室内へ送り込むための設備です。
空調の目的や使用場所、デザインに応じてさまざまな種類があり、アネモ型吹出口もそのひとつです。

「吸込口」は、室内の空気を建物の外や空調機へ戻すための設備です。
フィルターを設置することで、空気中のほこりを取り除く役割もあります。

「アネモスタット型吹出口」以外の吹出口の種類

吹出口にはさまざまな種類があることをお伝えしましたが、具体的にはどのようなタイプがあるのでしょうか。
アネモスタット型吹出口以外に、主に以下の5種類があります。

1.床置き型吹出口
2.システム・グリッド天井用吹出口
3.ライン型吹出口
4.ノズル型吹出口
5.ユニバーサル型吹出口

ひとつずつ特徴を見ていきましょう。

1.床置き型吹出口

床から空調空気を出す床置き型の吹出口です。オフィスフロアや映画館などに設置されています。

床置き型吹出口

2.システム・グリッド天井用吹出口

システム天井とグリッド天井用の吹出口で、窓面に向かって風を吹き出すこともでき、室内全体に吹き出すことができるのが特徴です。

システム・グリッド天井用吹出口

3.ライン吹出口

線状の吹出口で、羽根が固定されているものや可動するもの、また複数の羽根を持つタイプがあります。
設置場所はさまざまですが、オフィスの窓際、玄関や工場のエアーカーテンなどとしても設置されています。

ライン吹出口

4.ノズル型吹出口

ノズル型は、気流到達距離が長いことが特徴です。
風を遠くまで送れるので、体育館やホールなど広さのある場所で使用されています。
また特定の場所に向けた空調として、飲食店の厨房や工場などでも使用される吹出口です。

ノズル型吹出口

5.ユニバーサル型吹出口

吹出口と室内換気用の吸込口の両方で使用されるタイプです。
羽根を動かして風向きや到達距離を変えられます。

ユニバーサル型吹出口

まとめ

アネモ型吹出口は、天井面に設置される代表的な吹出口で、室内に空調空気を効率よく拡散する役割があります。

風量や風向きは、中コーンの上下調整やダンパーの開度調整によってコントロールできます。また、吹出口の調整だけでは気流の当たり方や温度ムラを改善しにくい場合は、ファンを取り付けて室内の空気を撹拌する方法もあります。

オフィスビルや商業施設などでは、吹出口の調整によって空調環境の快適性が大きく変わります。アネモ型吹出口の構造や調整方法を理解し、用途や室内環境に応じて適切に調整することが重要です。

吹出口のことなら空研工業

アネモ型吹出口に関するよくある質問

アネモ型吹出口とは何ですか?

アネモ型吹出口とは、主にオフィスビルや商業施設などの天井に設置される空調用の吹出口です。正式には「アネモスタット型吹出口」と呼ばれ、丸型や角型のコーンを重ねたような形状をしています。室内に空調空気を拡散させる役割があります。

アネモ型吹出口の風量は調整できますか?

アネモ型吹出口の風量は、ダンパーの開度を調整することで変えられます。中コーンを取り外すと奥にダンパーがあり、調節ネジを回して開き具合を調整することで、室内へ送る風量をコントロールできます。

アネモ型吹出口の中コーンは何のためにありますか?

中コーンは、吹き出す空気の方向を調整するための部品です。中コーンを上下させることで、空気を水平方向に広げたり、下方向へ送ったりできます。冷房時と暖房時で調整することで、室内の快適性を高めやすくなります。

冷房時と暖房時でアネモ型吹出口の調整は変わりますか?

冷房時は冷たい空気が下に落ちやすいため、中コーンを下げて水平方向に風を広げる調整が一般的です。暖房時は暖かい空気が上にたまりやすいため、中コーンを上げて下方向へ風を送ることで、床付近まで暖かい空気を届けやすくなります。

アネモ型吹出口からの風が直接当たる場合はどうすればよいですか?

風が直接当たる場合は、中コーンの位置やダンパーの開度を調整し、風向きや風量を見直す方法があります。それでも改善しにくい場合は、吹出口にファンを取り付けて空気を撹拌し、気流の当たり方や温度ムラを軽減する方法もあります。

アネモ型吹出口と制気口の違いは何ですか?

制気口とは、空調ダクトの末端に取り付けられる設備の総称です。空気を室内に送り出す吹出口と、室内の空気を吸い込む吸込口に分けられます。アネモ型吹出口は、この制気口のうち、空気を室内へ送り出す吹出口の一種です。

アネモ型吹出口以外にはどのような吹出口がありますか?

アネモ型吹出口以外にも、床置き型吹出口、システム・グリッド天井用吹出口、ライン型吹出口、ノズル型吹出口、ユニバーサル型吹出口などがあります。設置場所や空調の目的、必要な気流の届き方に応じて使い分けられます。

アネモ型吹出口の調整で室内の温度ムラは改善できますか?

アネモ型吹出口の中コーンやダンパーを適切に調整することで、空気の広がり方や風量を変えられるため、室内の温度ムラの改善につながる場合があります。ただし、室内の広さや座席位置、空調設備の状態によって効果は異なるため、状況に合わせた調整が必要です。

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