制気口におけるサイズの計算方法と選定基準を解説

空調や換気に使用される制気口には、さまざまな種類があります。
どのような基準で、選定をすれば良いのかわからない方もいるでしょう。

こちらでは制気口とはどんなものか、構造、仕組み、サイズを選定する際の計算方法はどうしたら良いのかなどを紹介していきます。
これから制気口を使用する方は、ぜひ参考にしてみてください。

制気口とは

空調を行う際に新鮮な空気を送ったり、古い空気を室外に排出したりする時に使用するのが制気口というもので、さまざまな形をしたものがあります。

吹出口や吸込口などが天井に付いているのを見たことがある方も多いと思いますが、それらすべてをひっくるめて制気口と呼んでいます。

家庭用のエアコンも、自分が設定したい温度に簡単に操作できるのは実はこういった吹出口や吸込口があるからです。
エアコンの場合は一体型になっている場合がほとんどですが、ビル空調の場合は別々になり天井などに付いています。

サイズだけでなく機能性やデザインなどを考慮して、室内に合ったものを選べます。

さまざまな構造の制気口がある

空調に合わせ、さまざまなデザインやサイズ、形の中から選べます。
こちらではいくつか、制気口の種類を紹介していきます。

ライン型と呼ばれる制気口(KL)

遠くまで空調の風を送りたいときにぴったりな構造になっていて、さらに静かなため人気が高いです。
部屋の大きさやどこまで風を届けたいかで、接続して任意の長さを決められます。

グリル型と呼ばれる制気口(HSやVS)

風が届く距離や方向を変えたいというときにはぴったりな構造で、耐久性の高いアルミでできているためこちらも人気です。

取り付けた後に稼働羽根の角度を変更できるため、指向性を持たせた気流や拡げた気流にすることができます。

グリル型と呼ばれる制気口(VHSやHVS)

こちらは先ほどのものの仲間ではありますが、稼働羽根が縦にも横にもあるので、さらに自分たちが向けたい方向に風を送ることができます。

HSやVS同様にシャッターも付いているため、風を弱くも強くも調節できます。

ほかにもさまざまなタイプの制気口があり、比較することでぴったりなタイプを選べるのでカタログなどを参考にしてみましょう。

制気口の役割

空調を行ううえで、制気口の役割はとても大きなものとなっています。
風を室内に取り入れるときには吹出口を使い、逆に外へと出す際の吸込口がうまく稼働しているからこそ、ビルなどの建物、室内の中で快適に過ごすことができるのです。

吹出口が空調された空気(その部屋にとって最適な温度の空気)を届け、吸込口が淀んだ空気を外に出してくれるからこそ、窓を全開にしなくても室内が快適な環境になります。
しっかりと両方が稼働することで、空調などの冷暖房機器の効果が得られるのです。

サイズの選定や計算をする際は、どのような目的や用途で使用したいのかで変わってくるので覚えておきましょう。

吹出口の仕組み

大規模商業施設の空調は、アネモスタットと呼ばれるタイプうぃ設置することがあります。

どんな仕組みになっているかというと、コーンと呼ばれる部分を上下させることで風の流れを調節できます。

冬は足元まで寒いと感じやすいため、頭などの上半身だけでなく床まで風が届くように垂直にします。

逆に冷房の場合、床まで風が届くようにというよりは、全体的に風が行き渡り涼しくなるよう水平にします。

線状のライン型というものもあり、稼働羽根付きのものは風の流れを変えられます。

さらにフィルター付きのものや風量調整羽根付のものなどあり、便利です。

制気口のサイズ選定の方式

ここからは制気口のサイズをどう計算するのか、具体的に説明していきます。

まず吸込口のサイズを決めたいときには、取り付ける1個あたりの風量を決めるところから始めます。

そして風が吸い込まれるときの騒音から、吸込み風速が2m程度になるよう選定します。

吹出口は風の向きなどでも変わってくるため、ある程度どのような気流にするのか操作が必要となってしまいますが、吸込口は関係ありません。

吸込口は到達距離など風の流れを考慮する必要はありませんが、吹出口は風がどこまで届くのか拡散範囲と到達の距離を見ていかなければなりません。

配置をどこにして何台設置するのがベストか考え、推奨されている風速なども参考にしてサイズを決定していきます。
部屋に合ったデザインを選びたいときには、さまざまな形のタイプがあるのでこだわってみても良いでしょう。

使用風量をカタログなどに載っている算定表と照らし合わせ、サイズを決定していきます。

風速などを注意しないで適当なサイズを選んでしまうと、室内の環境に後々悪影響を及ぼすかもしれません。
制気口を設置する際には、適切なサイズを選定することが重要です。

風速も目安として決まっているものがありますので、設計基準書などを参考にするとよいでしょう。

制気口の導入なら空研工業

カタログに記載されている風速について

目安となる風速には、吹出風速のほかにネック風速と呼ばれるものも記載されています。
吹出口のおもて面で計測ができる場合は吹出風速として記載されますが、製品によっては、ネック風速で表されているので覚えておきましょう。

ネック風速を求める際は、ダクトの断面積で決まります。
吹出風速の場合、求める方式としては、開口面積×開口率で計算をします。

風速や風量はどのように計算しているのか

風速を求める場合、風量と有効開口面積の関係式で求められます。

まず、給排気口の開口面積と開口率をかけると、有効開口面積が出てきます。
更に、これは有効開口面積=風量/風速×3600という関係式で表せます。

ゆえに風速は風量/有効開口面積×3600となります。

給排気口の開口率はどのように決まっているのか

カタログなどを見ると数値が載っていて便利ではありますが、開口率は給排気口面積を純粋に載せているのではなく、枠部分を引いた面積に対する値になっています。

枠部分を忘れてしまうと、実際には枠部分も合わせての大きさとなってしまい予想していた数値と違うものが出てしまう可能性があるのです。

その点に注意して、カタログの数値を参考にすると楽に計算ができます。

拡散する範囲もカタログを参考にしよう

どのくらい空気が広がっていくかわからないという場合は、カタログを見るとどのくらいの範囲に拡散していくのかわかります。

距離がどうか、拡散の半径などについても載っていて参考になります。

拡散する範囲については、隣に設置する吹出口と拡散範囲が被らないようにすることも大切です。
拡散範囲が重なった場合、ドラフトなどの原因になってしまい、設置が失敗してしまいます。

どのように広がるのか、重なってしまわないかも注意しながら吹出口のサイズや距離を選定していきましょう。

設置前にしっかりと到達距離の確認をしよう

せっかく吹出口から空気が出ても、ここまでは風が来てほしいというところまで空気が到達しなければ意味がありません。

グリルの場合は、設置したところから対向面までの距離、さらにシーリングディフューザーの場合は天井面から床上1.5mとしています。

そして不快になってしまう空気の流れとならないように、しっかりサイズの計算をして選定しましょう。

まとめ

制気口のサイズの選定は計算しなければならない点もあるものの、参考にできる数値がカタログに載っています。

よく作業する場所の近くに設置してしまうと不快感を感じるため、なるべく少し離す必要があります。

気になった商品があったら、載っている数値をチェックし、ベストなサイズと台数を選んで設置しましょう。

適切なサイズの制気口の選定なら空研工業

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