制気口の到達距離とは?

空調設備を取り付けるにあたっては、空調を必要とする空間全体に冷暖房が行き届かなくては意味がありません。
そのため、冷暖房の気流が居住域や作業位置まで到達するには、制気口からどのくらいの距離が必要かを求める必要があります。

制気口の到達距離の意義や役割、求める計算方法を解説していきます。

制気口の到達距離とは

制気口の到達距離とは空調機器の吹出口から、空調を必要とする人々がいる空間や作業しているスペースまでの距離を指します。
空調設備の吹出口から出た冷暖房の気流は、人々のいる居住域や作業位置まで到達しなくては意味がありません。

そのため、到達距離や拡散範囲を踏まえて、制気口の吹出口からの風量を算出したうえで、吹出口や吸込口のサイズや性能などを選ぶ必要があります。

制気口の到達距離の役割

空調設備を設置するにあたっては、設置する場所に合わせて制気口の到達距離を求めておく必要があります。
なぜなら、空調を必要とする人々がいる空間や作業しているスペースまで到達しなければ意味がないからです。

そのため、到達距離には快適な冷暖房を室内に行き届かせる役割があります。

一方で、到達距離が長すぎると冷暖房が利きすぎるなど過剰空調になるため、注意が必要です。
過剰になれば、必要とする設備や機器のサイズが大きくなって高価格となる分、無駄なコストがかかるとともに、空調する際の光熱費もかさみ、二酸化炭素の排出量も多くなってしまいます。

制気口の到達距離を最適な距離に定めることで、無駄なコストを抑え、省エネに役立ち、地球温暖化防止にも貢献できる役割も果たせます。

制気口の到達距離の仕組み

制気口の到達距離については、国土交通省大臣官房管長営繕部設備・環境課が監修している建築設備設計基準を指針にして設定しましょう。

建築設備設計基準によると、たとえばシーリングディフューザーの制気口では、天井面から床上1.5mまでの距離を到達距離と定めています。

また、気流によって、空調空間にいる人々に不快感を与えないよう、到達距離での平均残風速は0.25~0.5m/s範囲とすることが必要です。

ただし、商業施設などのショッピングゾーンや、動き回っての作業をする工場など、人の動きの多い場所や滞在時間が短い場所においては、平均残風速が0.25~0.5m/sより大きくなっても問題ありません。

なお、制気口を選ぶ際のメーカーの製品カタログにおいては、通常、最大到達距離と最小到達距離の表示があります。
製品表示における最大到達距離とは、平均残風速が0.25m/sとなるときの気流の到達距離です。

これに対し、最小到達距離は平均残風速が0.5m/sとなるときの気流の到達距離となります。
最大と最小の到達距離と平均残風速の数値の組み合わせについて、誤解しないように注意しましょう。

制気口の大きさの決め方

空調設備における制気口、いわゆる吹出口や吸込口の大きさは次の方式に沿って求めるようにしましょう。

吸込口

吸込口については、1個あたりの風量を決定し、そのときの騒音に問題ないか確認をとるようにします。
なお、吸込口は吹出口とは異なり、気流操作の必要はありません。
スリット形吸込口

吹出口

吹出口については、1個あたりの風量を決定して、その際の騒音に問題ないか確認が必要です。
それに加えて、吹出気流の拡散範囲と到達距離を確認しなければなりません。
制気口の吹出口

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制気口の到達距離を決める際の注意点

空調設備の構造を設計、設定するにあたり、吹出口の取付位置には以下のような点に注意を払わなくてはなりません。
まず、オフィスなど一般的な事務所においては、吹出口は作業位置からなるべく離して設置するのがおすすめです。

なぜなら、作業位置の真上や真横に吹出口を設けてしまうと、作業位置での残風速が過大となってしまい、気流を不快に感じてしまうためです。
オフィス空間を快適に保つためにも、デスクスペースなどの近距離に設置しないよう気を付けましょう。

また、天井に取り付ける吹出口の到達距離は、空気の温度によって差が出るので注意が必要です。
つまり、冷房と暖房の場合で到達距離が異なります。

これは、空気の温度によって比重の違いが出るためで、暖かい空気は上へと向かい、冷たい空気は下へ向かうためです。
そのため暖房の到達距離は、冷房の到達距離より小さくなってしまいます。

もっとも、冷房シーズンと暖房シーズンによって、吹出口の取付位置を変える工事をするわけにはいきません。
そのため、季節によって風向を調整できるシーリングディフューザータイプの吹出口を選ぶのがおすすめです。

シーリングディフューザーの多くは、気流が下に向かう冷房は水平吹出にし、気流が上に向かう暖房は垂直吹出になるよう調整することができます。
調整が出来ない吹出口の場合は、冷房時のドラフト(気流感)を避けるように設定しましょう。

ケーススタディとして、風量400m3/hの床置き空調機の上部にパンカールーバーを1つ取り付けたチャンバーボックスを設置する場合、空調機から8.0m離れた作業位置において残風速が確保できる吹出口を選定したいとき、どの番手のパンカールーバーを設置すれば良いか検討してみましょう。

商業施設や工場では、人の動きによって気流の乱れが起きることで、気流が届かなくなるおそれがあります。
そのため、気流が届かなくなることを防ぐために、平均残風速は0.5m/s以上となるようにします。

風量400m3/hのとき最小到達距離が8.0mとなる、パンカールーバーを製品カタログから選べば良いということになります。
なお、最小到達距離とは平均残風速0.5m/sとなる位置です。

まとめ

制気口の到達距離は、空調を利用する空間において、そこにいる人々や作業をする空間が快適な気流になるように調整を図るための距離となります。

冷暖房が利きすぎるなど気流によって人々に不快感を与えないよう、到達距離での平均残風速は0.25~0.5m/s範囲がベストです。
そのため、吹出口や吸込口の製品のカタログにおいては、平均残風速0.25m/sを最大到達距離、平均残風速0.5m/sを最小到達距離として、制気口ごとに表示がなされています。

ただし、商業施設や工場など、人の動きの多い場所や滞在時間が短い場所においては、平均残風速が0.25~0.5m/sより大きくなっても問題ありません。

逆に気流が行き届かない、滞留することによる不快感を避けるために、最小到達距離が平均残風速0.5m/s以上となる制気口を選ぶ必要があります。

制気口の導入なら空研工業

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