排煙口の手動開放装置とは?排煙設備の役割や構造について

排煙口の手動開放装置は建物の防火対策設備の一部として、設置が必要となるものです。
火災による被害を抑えるための役割を果たします。

排煙口の手動開放装置の役割や仕組み、排煙設備の構造や指針について見ていきましょう。

排煙口の手動開放装置とは

排煙口の手動開放装置とは建物で火災等が発生した際に、煙による被害が拡大しないよう排煙を行う装置です。
排煙設備は手動開放装置・排煙口・制御盤・排煙器の4つの装置により構成されます。

火災の発生などにより開放装置のボタンなどが押されると、排煙口が開放し制御盤に信号が送られます。
すると、排煙機が回る仕組みになっています。

排煙口の手動開放装置の役割

排煙設備は火災時に発生する煙を屋外に排出することで、煙による被害を抑えるとともに、消防活動を円滑に行うための支援を行うことが最も重要な役割です。

建築基準法施行令第126条の3の排煙設備の構造では、第4項において「排煙口には、手動開放装置を設けること。」と規定されています。
手動開放装置であること、高さの規定や使用方法が明示されています。

火災によって発生する熱い煙は、部屋の上方へと上がっていくのが特徴です。
煙が蔓延すると一酸化炭素中毒など人命に影響を与え、また周囲が見えなくなり避難する際に支障をきたします。

消防隊がやってきても煙が多いと、要救助者が発見できない、消防活動がスムーズにできないなど弊害が生じるため、煙を逃がすことが必要となります。
煙が上に上がっていく性質を踏まえて、建物には排煙口を設けなくてはなりません。

もっとも、煙の性質から排煙口は部屋の高い位置に設置されることになります。
取り付け位置についても規定されています。

排煙口には火災により発生した煙を効率よく建物外部に排出する役割があります。
排煙口は、建築基準法を設置根拠とする排煙設備のうちの一つであり、火災による煙を建物外に排出する重要な役割を担っています。

手動開放装置の導入なら空研工業

設備の維持管理が不適切であると、いざ火災が発生した際に被害が拡大し、建物所有者などの大きな責任問題に発展します。

そのような重大な事故を起こさないよう、建物所有者や管理者は排煙設備に関する知識を持ち、設備の適切な維持管理を行っていく必要があります。

排煙口の手動開放装置の仕組み

排煙設備の手動開放装置は建築基準法施行令により、以下のような仕組みであることが必要です。
手動式であり、建築基準法施行令に定められた所定の高さに設置し、開放方法を表示しなければなりません。

火災が発生した際、避難時および避難後の火災発生室の圧力を減ずるために、火災が起きた場所の排煙口の操作は欠かせません。
そのため、操作方法は誰もがすぐにわかるよう単純である必要があり、かつ、高齢者や女性など力が弱い人でも容易に操作できることが原則として求められます。

仕組みとしてはレバーやチェーン、フック棒などは着脱できない方式となっていること、ハンドル操作は1回転以内であることが必要です。

排煙口の手動開放装置の方式

排煙口の手動開放装置には、手動式と電気式があります。
手動開放装置といっても、電気で動く方式も含まれます。

電気式は、ボタンを押すことで自動的に排煙口が開く方式です。
ボタンを押すという点が、手動で操作が必要なことから手動開放装置に分類されます。

手動式は排煙オペレーターと排煙口にワイヤーが張られており、オペレーターを操作することで排煙口が開く方式です。
手動開放装置の方式については、建築基準法施行令により、以下のような方式であることが定められています。

まず、設置位置は原則として排煙区画内に設けなくてはなりません。
構造は、単一動作で操作できることが必要です。

具体的には力がない人でも、誰もが簡単に操作できる方式で、電気式でよくあるボタンを押すだけや手動式によくあるハンドルを1回回すだけ、レバーを1回引くだけといった方式であることが求められます。

電気式による場合は、火災により、使用できなくなるリスクがあるため、必ず、予備電源を設けなくてはなりません。
予備電源については、火災に耐えられるよう、電線は耐熱配線である必要があります。

排煙口の手動開放装置の構造

建築基準法施行令により、手動開放装置はボタンを押す、レバーを引く、レバーを倒す、チェーンを引く、ハンドルを回すなど単一動作ができる構造でなくてはなりません。

ハンドルを回すなど回転操作の場合は、1回転以内とすることが原則です。
火災が発生した際、そこに偶然居合わせた人の誰もが瞬時に使える構造でなければならないためです。

また、壁面に設置する場合は、床面からの高さが80cm以上1.5m以下でないといけません。
子供や小柄な方であっても手が届き、操作しやすい高さでである必要があるためです。

天井から吊り下げて設ける場合は、床面からおよそ1.8mとしなくてはなりません。

また、その場で誰もが使用方法を理解できるよう、ステッカーやラベルなどを貼り付け、手動開放装置の使用方法等を表示しておく必要があります。

電動モーター式にする場合は、予備電源となる非常電源の設置が必要です。

遠方手動および煙感知器連動によって排煙口を開放する構造とする場合には、中央管理室に表示するための端子が必要です。

まとめ

排煙設備は火災時の煙で一酸化炭素中毒や煙の蔓延による避難経路の閉塞、消防活動への弊害を抑えるために、建築基準法により設ける必要があります。

火災発生時に排煙口がスムーズに開閉できるよう、誰もが簡単に操作できる手動開放装置を設けなくてはなりません。

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