チャッキダンパーの選び方は?仕組み・おすすめメーカーも解説

チャッキダンパーは風の逆流を防ぐ役割を持つダンパーです。
換気ダクトや外気ダクトに排気や外気の逆流を防ぐ目的で設置されます。

ダンパーにはさまざまな種類があり、火災の延焼を防ぐための防火ダンパーや防炎ダンパーなどもありますが、チャッキダンパーは多くの建物のダクトに設置される代表的なダンパーの一つです。

チャッキダンパーの役割や設置目的、仕組みをはじめ、選び方やおすすめメーカーなどを解説していきます。

チャッキダンパーとは

ダンパーとはダクトの途中に取り付ける装置です。

ダンパーにはさまざまな役割や目的の装置がありますが、その中でもチャッキダンパーは、風が一方向にしか流れない仕組みで、逆流防止ダンパーとも呼ばれています。
非常に軽量な羽根が付いており、風が正しい方向に流れるときのみ開くというのが基本の仕組みです。

チャッキダンパーは、換気ダクトの分流部や合流部に取り付けられることが多いダンパーの一つです。
たとえば、マンションや飲食店が入った雑居ビルなど合流している排気ダクトの場合、1つの室内で換気扇を使うとダクト内に排気が入り、空気が送り込まれるため、正圧状態になります。

ダクト内の圧力が高まることで、ダクトで繋がっているほかの室内には換気扇を逆流して、本来外に出されるべき排気が他の部屋に入り込んでしまいます。
そこで、換気扇による排気の合流地点にチャッキダンパーを入れて、逆流を防ぐことが必要になります。
チャッキダンパーを設置することで、排気の流れが固定され、安定した換気が行えるというわけです。

換気ダクトはガラリを通じて外気と繋がっているため、ガラリから入ってくる風で逆流が生じてしまうためです。

そこで、ガラリの周辺位置にチャッキダンパーを入れて逆流を防ぎます。
これによって、室内に調理の臭いなどが充満することを防げます。

チャッキダンパーの導入なら空研工業

チャッキダンパーの選び方(選定基準)

チャッキダンパーは換気ダクトや外気ダクトなどに設置が求められる定番のダンパーです。
だからこそ、しっかりとした基準に沿って作られているものを選ぶことをおすすめします。

特に公共施設などの大型施設の場合には、国土交通省・公共建築工事標準仕様書や国土交通省・機械設備工事監理指針などに沿った仕様であることが求められます。

ここでは一つの選定基準として、指針に沿った内容を見ていきます。

選び方1.ボールベアリングとバランスウエイト・ 音の開閉低減機能

チャッキダンパーは、ケーシング、可動羽根、軸、軸受、ウエイトなどで構成されるのが基本的な構造です。
ウエイトが付いているもの、付いていないものがあります。ウエイトが付いていると羽根の開閉を補助する役割を果たします。

ウエイトの働きにより、逆気流に対して可動羽根の閉鎖機能がもたらされます。
可動羽根は開閉が円滑であり、開放時における気流の抵抗が少ないものが理想です。

たとえば、軸受にベアリングを取り付け、ウエイトで可動羽根との開閉を調節できるようにすることで、送風機の圧力損失を低減させるといった仕様です。

また、可動羽根とケーシングが接触する部分に、緩衝材を備えているものを選びましょう。
緩衝材が取り付けられることで、ダンパーの開閉時に起こるカンカンといった金属音が鳴ることを防ぐことができます。

選び方2.材質

材質や材質のグレードも確認をしましょう。
たとえば、ケーシングの材質は厚さ1.2mm以上の鋼板を使用し、可動羽根の板厚は長方形の場合は厚さ1.2mm以上の鋼板またはアルミニウム板、円形の場合は厚さ0.6mm以上の鋼板またはアルミニウム板が基本です。

軸の材質は亜鉛メッキ棒鋼など、軸受の材質は青銅や黄銅、操作ハンドルの材質は鋳鉄か鋼板、もしくは青銅が基本となります。

また、腐食性のある給排気系ダクトの場合の対向翼連結金具は、外部に取り付けるものが基本です。

選び方3.気流方向の明示

チャッキダンパーはいずれか一方向にしか流れない仕様であるため、施工時に間違いがないよう、外枠に気流方向を明示されているものがおすすめです。

気流方向および作動確認がわかるように開閉表示器などが取り付けられているものを選びましょう。
なお、開閉表示器とバランスウエイトがありますので、保温をしても確認できるものがベストです。

おすすめのチャッキダンパー 4選

チャッキダンパーを選ぶ基準は以下の3点です。

  • ウエイトの有無や送風機の圧力損失を低減させる仕様か
  • 緩衝材の設置で音鳴りを予防できるか
  • 使用されている材質と正しく利用できるように気流方向を明示しているか

この基準を踏まえて、おすすめのチャッキダンパーをご紹介します。

1.チャッキダンパー(ウエイト付・なし) 空研工業

空研工業の一方向しか風を通さない逆流防止ダンパーは、ウエイト付きとウエイトが付いていない製品がラインアップされています。

外板と羽根は亜鉛鋼板、シャフトは亜鉛メッキ棒鋼、軸受メタルは角型が黄銅、丸型がステンレスとなっているので、材質の面は基本的にクリアです。
取り付けの方向性を示すために風向シールも付いているので、設置ミスも抑えられます。
ダンパー設置方向は水平、上向、下向気流の制限があります。

2.チャッキダンパー 三功工業所

三功工業所のチャッキダンパーは耐圧仕様500Pa以下で風速10m/s以下です。
羽根は円CD-Zのサイズ200φまではアルミ製t0.8、300φまではアルミ製t1.2、300φ超は溶融亜鉛メッキt1.2となっています。

閉鎖時、羽根の衝撃音を和らげるための緩衝材が付いており、バランスウエイトも付いています。
軸受にはボールベアリングが採用されており、選定基準の大部分をクリアするチャッキダンパーの一つです。
ダンパー設置方向は水平、上向、下向気流の制限があります。

3.チャッキダンパー クリフ株式会社

クリフ株式会社のチャッキダンパーは、わずかな風圧でも羽根をスムーズに開放できるのが特徴です。
一方の風向に対しては、風圧によってダンパーの羽根が開放されます。

逆の風向については、羽根の自重、あるいはバランスウエイトの力で羽根が閉鎖され、風の逆流を防止する仕組みです。
ダンパー設置方向は水平、上向、下向気流の制限があります。

材質はケーシングは溶融亜鉛メッキ鋼板(SGHC)、羽根は溶融亜鉛メッキ鋼板(SGHC)、軸はみがき棒鋼(SGD)です。

4.丸型チャッキダンパー(塩ビCD) ゼビオプラスト株式会社

ゼビオプラスト株式会社の丸型チャッキダンパー(塩ビCD)は、ほかの製品とは異なり、材質はPVC(塩化ビニール)です。
逆流防止ダンパーとして、臭気の拡散を防止することや外部からの空気を遮断する構造となっています。

一方向からの風のみを通す仕様で、逆方向からの風は流れないよう、羽根が自重、もしくは錘の力で閉じられる仕組みです。
ゼビオプラスト株式会社のチャッキダンパーは受注生産となっており、設置場所や目的、希望などに合わせてオリジナルで製作が可能です。

ウエイトなし・ウエイト付きが選べるほか、継ぎ手部分もPVCアングルフランジ・加工板フランジなど自由な設定ができます。
形状や長さなども自由にカスタマイズができ、標準規格外寸法の製作もできるなど、柔軟な対応が可能です。

接続方法は単管式・ソケット式・ダクトフランジ式・JISフランジ式の4種類が用意されています。

まとめ

チャッキダンパーは主に換気ダクトや外気ダクトに取り付けられ、排気の逆流や外気の逆流を防ぐ役割を果たします。
臭気対策に役立つチャッキダンパーは共同住宅やビルなど、ダクトが合流する構造の建物はもちろん単独のダクトでも不可欠です。

チャッキダンパーを選ぶ基準として、ウエイトの有無や送風機の圧力損失を低減させる仕様になっているか、緩衝材の設置で音鳴りを予防できるかの機能をはじめ、使用されている材質や正しく設置できるよう気流方向の明示があるかも確認しましょう。

チャッキダンパーの導入なら空研工業

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